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戦跡を行く
カンボジア２
〜キリングフィールド〜
プノンペン中心部から南へおよそ10km。
ここは、ポル・ポト派による虐殺被害者が大勢埋められていた場所です。
上の写真の沢山の穴には、遺体が折り重なるよう埋められていました。今でも人骨がそこら中から出て来るそうです。
この記念塔には、埋葬されていた多数の遺骨が安置してあります。
大量の頭蓋骨。
勿論一つ一つがこの世に生きていた一人の人間です。愛し愛され、掛け替えのない人生を歩んでいた人々。
何の因果か、その時代のカンボジアに生まれて、何の因果かポル・ポト派によって人民の敵とされ、躊躇なく殺され、ゴミのように埋められた人々。
深い悲しみ。
その悲しみは、殺した人々へ“怨み”を抱くだけでは晴れないでしょう。
簡単に単純化できない悲しみ。それは人間という者の存在自体を問うことがなければ、癒えることはないでしょう。
根元には人骨が露わに…
人間。それは正と負の両面を併せ持ちます。一人一人は善良な側面を持ちます。
しかし時にその善良さによって自らを正義とし、集団化し、暴走するという恐ろしさがあります。
人間の愚かさ。その人間であることの悲しさ。そして人間の私。
全ての人間が自らを見つめ、この様な危うさを持ち合わせている私であるということを受け止めた時にこそ、この惨劇の悲しみは癒えるに違いありません。
太陽は、流された血と涙が染みこんだ大地を、赤く赤く染めあげました。
訪問日 2005.3.1
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戦争と平和