正信偈第25話へ
住 職

正信偈目次へ
しょう  しん  げ
浄 土 真 宗 の お 経
―― 第24話 
正 信 偈 の お 話

            ★★ お経文 ★★

     
釈迦如来楞伽山(しゃかにょらい りょうがせん)
               楞伽の山に 釈迦説けり
     
為衆告命南天竺(いしゅうごうみょう なんてんじく)
               南天竺に 比丘(びく)ありて
     龍樹大士出於世(りゅうじゅだいじ しゅっとうせ)
               龍樹大士は おしえます

     悉能摧破有無見(しつのうざいは うむけん)
               よこしまくじき 真実
(まこと)のべ
     宣説大乗無上法(せんぜつだいじょう むじょうほう)
               みことのままに あらわれし
     証歓喜地生安楽(しょうかんぎじ しょうあんらく)
               安楽国に うまれんと

         ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 
 お釈迦さまは、楞伽山(インドの南海岸にあるとされる非常に険しい山)で説法の時、預言されたそうです。

 「私の死後、南インドに高徳の人が生まれる。その名を龍樹という。
 その方は、有に執着する邪見、無に執着する邪見を破って、阿弥陀如来の本意である大乗の究極の教え、即ち阿弥陀如来の本願を説き、みずから不退の位(再び迷いの世界に戻らない位)に入り、命終わって、阿弥陀仏の安楽浄土に生まれる。」と。

         ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 龍樹は、梵名・ナーガールジュナと言う。龍樹は大乗仏教の大成者です。

 出生年代は諸説ありますが、仏滅700年頃(西暦200年頃)に活躍した人といわれています。
 南インドのバラモンの家に生まれ、子どもの頃からすぐれた才能を持ち、青年時代に親友の惨死を見て仏門に帰依したと伝えられています。

 初めは上座部仏教を学んだのですが、心に満たされないものがあったそうです。やがて大乗仏教を学び、仏教の深い道理を極め「八宗の祖」ともいわれています。

 著作も多く「大智度論」を始め、昔から「千部の論主」ともいわれています。

 親鸞聖人は教行真証に、「十住毘婆沙論」から引用されています。


                       〜つづく〜