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法然聖人の御入滅
知恩院法然聖人御廟
建永２(1207)年、土佐国への流罪刑が決まった法然聖人。
しかし九条兼実のはたらきによって、流刑地は讃岐国へと変更になりました。
７５歳というご高齢の法然聖人に配慮してのことです。
同年３月１６日に下鳥羽から船で淀川を下り、京の都を離れました。
法然聖人はこう申されます。
「流罪によって地方の人々に念仏をお伝え出来ることは、結構なことです」
道中摂津国の経ヶ島（現：神戸市兵庫区）で村人を、
播磨の高砂（現：兵庫県高砂市高砂町）で漁夫を、
さらに同室の泊（現：兵庫県揖保郡御津町室津）で遊女を、
それぞれお念仏のみ教えに導かれています。
３月２６日讃岐国の塩飽島（現：香川県丸亀市本島町）に到着し、
小松庄生福寺(現：香川県仲多度郡まんのう町)に落ち着きました。
そこは、金比羅山の近くに当たります。
法然聖人はこの地でも人々にお念仏を教化されました。
同年１２月８日、赦免の宣言が下りました。
しかし都へ帰ることはかたく禁じられたのです。
法然聖人は、摂津国勝尾寺（現：大阪府箕面市）二階堂におちつき、
４年の歳月を過ごされました。
建暦元(1211)年１１月１７日、
帰洛を許された法然聖人は、５年ぶりに京都の地に帰られました。
吉水の草庵は荒廃していましたので、大谷の禅房（現：知恩院勢至堂）に
入られました。
建暦２(1212)年正月、御年８０歳の法然聖人は、とうとうに病に倒れられます。
高弟信空は最悪の事態を予期し、
「ご入滅の後は、どこをご遺跡といたしましょうか」
と尋ねました。
法然聖人は次のように答えられたと伝わっています。
「私の生涯は専修念仏の弘通(ぐづう)にある。
遺跡はといえば、念仏の声するところがすべて皆、私の遺跡である」
１月２５日、頭北面西(頭を北、面を西)にし、
「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」
の経文をとなえつつ、８０年のご生涯を眠るがごとく閉じられたのでした。
阿弥陀如来の化身とも仰がれた親鸞聖人は、
流罪以降、とうとう恩師法然聖人にお目にかかることが出来なかったのです。
法然院にある墓所
所在地 知恩院 京都市東山区林下町
法然院 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町
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