第1話によせて
怪獣「ハンドラー」のお話、いかがでしたか。
どんな人も究極的には、「自分さえ良ければ良い」というどす黒い煩悩をかかえています。もちろんそれは、普段は表に出しません。
いえ、それを持っていることを、自分では気付いていないかも知れません。しかし誰にでもあるのです。間違いなく。
自分で気付かないからこそ、それを仏教では無明(むみょう)と言いあてました。光が当たっていないから、見ることすら出来ない姿であると。
無明によって、煩悩は起こり、「自分は特別。こうでなければならない」という我執(がしゅう=我にとらわれている姿)によって、ぶつかり合い、傷つけあう。それが、迷いの姿です。
一見さわやかそうな青年も、迷いの存在でした。やがて無明が爆発した時に、彼は怪獣へなってしまったのです。
怪獣とは、変わった人がなるものではありません。無明をかかえたもの全てがおちいるありさまです。私も、あなたも。
アミダーマンは、その無明の闇に光をもたらす存在です。だから、戦ってやっつけるという勧善懲悪のヒーローではないのです。
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