第９話によせて
人と人の間のあるのが「人間」ですね。
でも、多くの人と関わると言うことは、時に面倒なこともあります。
どうしても「私」は、「私からの視点」ですべてを推し量ってしまうようです。その視点が、自分を苦しめてしまうのにもかかわらず。
阿弥陀如来はさとりを開く前、未だ法蔵菩薩であられた時、五劫というはかり知れない長い時間にわたって、どうして人は苦しむのか、全ての人をすくうにはどうしたらよいのかを観察し、考え抜かれたのでした。
そして「苦しみの原因」は、私の都合という視点でしかものごとを捉えることが出来ない、「自己中心の私」にあったことを見抜かれたのです。しかも、そのことにすら気付いていないというあり様。
指摘されると反論し、言い訳し、自分の殻に閉じこもってしまうこともある「私」。そのどれもが、「私という自己中心的な殻」の中の姿です。
決してそれを言い訳に使うのではではなく、そう言う私であると言うことを自覚しながら、また歩ませていただく。「本当の人間となって欲しい」。それが阿弥陀如来の願いとはたらきです。
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