第17話によせて
人には皆、自我があり、執着心があります。
自我は大切なものです。それは自尊心と自立心を育てます。
しかし自我が拡大し、肥大したそれに執着するようになると厄介です。
「この生活、このような姿こそが私である。その他は認められない」というあり様は、自我に執着する我執（がしゅう＝ガシュー）の姿です。
我執とは、「私はずっと変わらない」と思う心、誰にでも存在します。
生物とは、生を受けた瞬間から、老いと病いと死と共に歩まねばなりません。でも私のものの見方（＝生き方）はどうでしょうか。
若い頃は若さを誇り、自分は年を取らないと思っていませんでしたか？
そんな若い時代を過ごしたあなたは、今の自分をどう受け止めているのでしょうか。若い人に比べ張りを失った肌。嫌でも増えていくシミ・シワ・白髪。
また、健康な時は特にいたわってこなかった自分の体も、病や怪我を得たとたん、大事大事にメンテナンスを始めるものではないでしょうか。
認めたくない我が現実。抗いきれない老病死。諸行無常（しょぎょうむじょう）。
このジレンマこそが怪獣であり、現実に抵抗し続けます。でもそれは決して勝利することが無い戦いなのです。
怪獣「変わらないでくれオパトラ」とは、変わりゆくものにしがみつく私たちの姿です。我執ある限り、この怪獣から逃れられない…。上手く付き合ってゆくしかないのです。
 
阿弥陀如来のお慈悲の温もり、つまりアミダーマンの活躍で一息ついても、また我執は暴れ出します。その繰り返し。
そんな私をアミダーマンは、ずっと寄り添い、導き、お育てくださるのです。
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