☆☆　お経文　☆☆

　　　　　道綽決聖道難証(どうしゃくけっしょう　どうなんしょう)
　　　　　　　　　　　　　　　道綽禅師　あきらかに
　　　　　唯明浄土可通入(ゆうみょうじうど　かつうにゅう)
　　　　　　　　　　　　　　　聖道浄土の　門わかち
　　　　　万善自力貶勤修(まんぜんじりき　へんごんしゅう)
　　　　　　　　　　　　　　　自力の善を　おとしめて
　　　　　円満徳号勧専称(えんまんとくごう　かんせんしょう)
　　　　　　　　　　　　　　　他力の行を　すすめつつ
　　　　　三不三信誨慇懃(さんぷさんしん　けおんごん)
　　　　　　　　　　　　　　　信と不信を　ねんごろに
　　　　　像末法滅同悲引(ぞうまつほうめつ　どうひいん)
　　　　　　　　　　　　　　　末の世かけて　おしえます
　　　　　一生造悪値弘誓(いっしょうぞうあく　ちぐぜい)
　　　　　　　　　　　　　　　一生悪を　造るとも
　　　　　至安養界証妙果(しあんにょうかい　しょうみょうか)
　　　　　　　　　　　　　　　弘誓に値いて　救わるる

---

　道綽禅師　〜その２〜

　道綽禅師は、観経の解説書「安楽集」２巻を著しました。

　仏教を聖道門と、浄土門の２つに判別され、今は末法の時代であり、聖道門の修行は、一部の人だけが救われる教えであって、すべての人は証り難い。唯阿弥陀如来の本願によってのみ、お浄土へ生まれさせていただき、すべての人の救われる道であると、ひとすじに、あらゆる功徳をそなえた名号を称えることをお勧めになりました。

　　　　　　　　　　 ☆　☆　☆　☆　☆　☆

　道綽禅師は、師と仰ぐ曇鸞大師の、三信と三不信の教えを懇切に示されました。

　三信とは、淳心(じゅんしん)・一心(いっしん)・相続心(そうぞくしん)のことです。

　・淳心…必ず浄土に救うという阿弥陀如来のお心を純粋素直に聞くこと。
　・一心…阿弥陀如来のお心を疑いなく聞くこと。
　・相続心…淳心と一心が続くことです。

　三不信とは、阿弥陀如来のお心を疑い、素直に聞くことが出来ず、相続した信心とはならないことです。

　正法・像法・末法・法滅、いつの時代においても、阿弥陀如来のお心は、すべての人々を同じようにお浄土へ救う誓願であることを明らかにされています。

　　　　　　　　　　 ☆　☆　☆　☆　☆　☆

　道綽禅師のお言葉は力強い説得力があり、当時の中国玄忠寺近隣三県に広くお念仏の声が広まったと云われています。

　一生悪を造る私も、阿弥陀如来の誓願（本願）に出会ったならば、本願力によって安養界(浄土)に往生して、如来と同じ悟りを得る「証果」をいただけるのです。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜つづく〜