☆☆　お経文　☆☆

　　　　　還来生死輪転家(げんらいしょうじ　りんでんげ)
　　　　　　　　　　　　　　　まよいの家に　かえらんは
　　　　　決以疑情為所止(けっちぎじょう　いしょし)
　　　　　　　　　　　　　　　うたがうつみの　あればなり
　　　　　速入寂静無為楽(そくにゅうじゃくじょう　むいらく)
　　　　　　　　　　　　　　　さとりの国に　うまるるは
　　　　　必以信心為能入(ひっちしんじん　いのうにゅう)
　　　　　　　　　　　　　　　ただ信心に　きわまりぬ

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　【大意】
　本願(第１８願)を疑えば、迷いの世界に止まり、また信ずれば、お浄土に往生出来ることを示されます。

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　【語句の解説】
・還　　来＝行ったりかえったりし、いつまでもそこから離れないこと。
・生死輪転＝われわれ凡夫が車輪が回るように際限なく生死を繰り返して、
　　　　　　迷いの世界から離れないこと。
　　　　　　離れがたい住みかだから「家」に譬える。
・疑　　情＝本願を疑う心。自力のはからいの心をいう。
・所　　止＝止っていること。
・寂　　静＝煩悩のさわがしさが無くなった静かなこころ。
・無 為 楽＝種々の原因や条件(因縁)によって生成されたものではない存在
　　　　　　生滅変化を超えた常住不変の真実のこと。涅槃の異名。
　　　　　　楽は「みやこ」と読み、仏のさとりを都に譬えた。

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　法然(源空)上人は、『選択本願念仏集(せんじゃくほんがんねんぶつしゅう)』(『選択集』と略す)を著しました。

　その中で、法蔵菩薩の４８願の中の第１８願を「本願中の王」と選ばれました。
　第１８願(阿弥陀如来の願い)は、「南無阿弥陀仏」の名号となって私に至り届き、賜った信心となってくださり、それが私の口から称名念仏となってあらわれ出てくださいます。
　阿弥陀如来の本願を信じるか疑うかによって、私が浄土に往生するかしないかが決まると説かれます。

　それは、名号「南無阿弥陀仏」には阿弥陀如来の全功徳が備わっているが故に、他の諸々の行より勝れているからです。
　誰にでも、どんな時にでも、修することが出来るからであるとお教えくださいました。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜つづく〜