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１９４５(昭和２０)年６月２５日、沖縄における日本軍の組織的作戦は終わった、とされる。 ところがその後、いったん降伏を受け入れた久米島守備隊指揮官はそれを翻し、「最後の一人になるまで、捕虜になることなく戦え」と命令をくだした。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 日本軍による住民虐殺。 久米島守備隊の鹿山隊長は、終戦間際の６月２７日に住民をスパイ容疑で殺害したのをはじめ、確たる証拠も無く、また正規の軍法会議にかけることもなく、婦女子も含めた処刑が行われた。それは理性を失った虐殺とよぶものであった。 １９７４(昭和４９)年、地元の有志によって「痛恨の碑」が建てられた。  久米島在住の佐久田氏は語る。 「鹿山隊長は１人ではなかった…。日本国民は全員“鹿山”であった。それはあの戦争の時代のなせることだった。鹿山隊長だけを責める事はできない」と。 日本は、負け方を知らなかった。「最後の１人になるまで、捕虜になることなく戦え」の教育は、軍人はもとより、一般住民に至まで浸透していた。「生きて虜囚の辱めをうけず」（戦陣訓）や、鬼畜米英思想や敵愾心などの、徹底した洗脳教育があったのだから。 勿論、異を唱える者もいたが、それらは、国賊やスパイの濡れ衣を着せられて処刑された。負け方を知っていれば、各地での惨劇も防げたのではなかろうか。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 命令を下した者を含めて、兵隊達は召集される以前は良き夫であり、よき父であったであろう。しかし戦争という状況下では恐ろしいこともしでかす。 「心には鬼と仏と相住めり」。 戦争は理性の喪失に他ならない。そもそも理性とはあって無いようなものだが。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「ぬち（命）どう宝）」。 “鉄の暴風”といわれた想像を絶する攻撃を受け、多大な犠牲者を出した戦禍をくぐった人々の、心からの叫びである。  （おわり） |
