住 職
しょう しん げ
浄 土 真 宗 の お 経
―― 第１１話 ――
正 信 偈 の お 話
★★ お経文 ★★
本願名号正定業(ほんがんみょうごう しょうじょうごう)
本願成就の そのみ名を
至心信楽願為因(ししんしんぎょう がんにいん)
信ずるこころ ひとつにて
成等覚証大涅槃(じょうとうがく しょうだいねはん)
ほとけのさとり ひらくこと
必至滅度願成就(ひっしめつど がんじょうじゅ)
願い成りたる しるしなり
本願の名号は正定の業なり。至心信楽の願を因となす。
等覚を成り、大涅槃を証することは、必至滅度の願成就なり。
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阿弥陀如来の活動を示すうち、私が救われる因も果も、みなことごとく阿弥陀如来の本願力（これを他力本願といいます。他人の力をあてにするという意味とは違う意味です）によるものである事を示したものです。
阿弥陀如来の４８の願いの内、第１７番目の願いには、救いの手だてとして「南無阿弥陀仏」の名号を成就されました。また、第１８番目の願いは、必ず私を浄土に往生させることを誓った願いです。私が浄土に往生し仏とさせていただくことは、全て如来が用意してくださった「南無阿弥陀仏」の名号のはたらきによるものです。
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親鸞聖人は、４８ある願いは一つ一つが私のためではあるが、必ず仏にせしめようという第１８番目の願いこそが、一番阿弥陀如来が強調された大切な願いだと受け止められ、根本の願いということで「本願」とよびました。
カラオケで一番得意な歌を「１８番」とよぶのは、この如来の本願が１８番目の願いであるところから来ています。それほど庶民に密接な願いなのですね。
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また、この世におりながら菩薩の最高位と同じ位に住し、浄土に往生すると同時に仏にしていただく事も、第１１願の必至滅度の願が出来上がったお陰であると示されます。
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用語解説
名号…南無阿弥陀仏の事。阿弥陀如来の一切の功徳が込められた
もの。親鸞聖人は衆生救済の願いがあらわれており、接収
して捨てないと云う仏意をあらわす如来の「よび声」とい
われた。
正定業…私の浄土往生が間違いなく決定したということ。
至心信楽願…第１８願の事。如来の真実心のとどいた心であり、
如来の本願を疑わない心。ともに信心の事。
等覚…仏の正覚（さとり）に等しいと云う意味で、必ず次生には
仏に成る位。この世で得る利益。
大涅槃…大乗の涅槃の意。迷いの世界から離れた悟りの境地。
むさぼり・怒り・迷いの心を滅したさとりの境地。
必至滅度…阿弥陀如来の４８の本願中、第１１願の名。この願に
は、浄土に生まれた者は必ず滅度に至らしめると誓ってあ
る。滅度とは、生死の苦を滅して彼岸（さとりの世界）に
わたる事。
菩薩…菩薩とは仏の悟りを開く一歩手前の状態を示し。ほとんど
仏と同じではある。
〜つづく〜
