一切経校合に参加された親鸞聖人は、一向堂に逗留されました。
一向堂は、鎌倉大仏の北側約500m、鎌倉市常盤に建てられていた坊舎であり、今は存在していません。バス停留所と公園にその名が残るだけです。
また聖人の孫(覚信尼の息子)唯善が、鎌倉にて滞在された場所もここであったと伝わっています。
この常盤の地は、鎌倉防衛の為に設けられた設備の一つ「大仏切通」を出てすぐの要所です。
そこは山や谷を切り開いた平地に、北条一族が武家屋敷を築いていました。その跡は現在、国指定「北条氏常盤亭跡」となっています。
鎌倉幕府は仏教を大切にしました。
しかし治安維持の為、念仏者でも治安を乱す者に対しては厳しく当たりました。
その余波から、肉食妻帯の真宗寺院は破却されたようです。多くは三浦半島などの周辺部へ移転。また一時的に宗派を隠して難を逃れた寺院もありました。
一向堂も、政治に翻弄され消滅したのではないかと想像されます。
所在地 一向堂跡
神奈川県鎌倉市常盤924-1
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