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一切経校合逗留の地４ ～長沼 正安寺～
正安寺は、開創年月日不詳の由緒ある寺院です。
当初は天台宗であり、能満寺と称していました。
一切経校合に参加されていた親鸞聖人は、近隣寺院
に逗留されました。
貞永元（1232）年８月、聖人は当時の能満寺に宿を
もとめ、７日間すごされました。
住持の浄蓮は、聖人の学識に傾倒し、お弟子と
なり、一向宗（浄土真宗の別名）へと改宗したの
でした。
逗留中聖人は、阿弥陀如来の木像を刻まれたと
伝わっています。
現在の御本尊の衣の袖には、「善信」とのお名前が
刻まれているそうです。
また、境内には聖人お手植えと伝わる槙の古木も
あるということです。
以来、親鸞聖人「鎌倉入り草鞋ぬぎの寺」として
知られています。
永禄４（1561）年、小田原の北條氏康（うじやす）は
一向宗を弾圧。
能満寺は鎌倉円覚寺にたすけを求め、末寺になると
共に住持の海弁房も禅僧となりました。
その際、寺号を正安寺と改称、弾圧をを逃れました。
後に、多くの寺院は浄土真宗へと帰宗しましたが、
正安寺は臨済宗のままとなり、今日に至ります。
浄土真宗本願寺派では、聖人由緒の寺院として
ご門主が本山から江戸幕府へ参向する折には
必ずお立ち寄りになったそうです。
明和６（1769）年３月には金子千疋、天保９（1838）年
３月には銀１枚を寄進したとの札が現存しています。
また、寛政４（1792）年には、築地本願寺講中が
建てた石碑も現存しています。
所在地 正安寺 神奈川県横浜市栄区長沼町６３６
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