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歎異抄ゆかりのお寺 ～河和田 報仏寺～
報佛寺は、親鸞聖人晩年の直弟子唯円が開基の寺院です。
元々は、現在地から南西500mにあった心字池のほとりに
健保６(1218)年に開いた念仏道場でした。
唯円について詳しいことは分かっていませんが、境内の
石碑には次のように記されています。
「河和田に平次郎という信仰心の薄い男がいた。
女房は親鸞聖人の教えをうけ、十字の名号を紙に書い
てもらって拝んでいた。平次郎はそれを誤解し、女房を
刀で軌って埋めてしまった。
ところが不思議にも女房は何事もなく、十字の名号が
斜めに切られていた。
このため平次郎は改心し、聖人の弟子となって名を
唯円と改め、報仏寺を開いたと伝わる。」
また一説には、聖人６３歳、稲田の草庵滞在時に
兄の平太郎（真仏寺開基）と共にお弟子となった
ということです。時に平次郎１４歳でした。
唯円は学識高く、正応元（1288）年に京の都へ上洛
した際、本願寺第３代覚如上人から教義に関する
質問を受け、聖人直伝のみ教えを伝授したと言う
ことです。
また、筆者不明の「歎異抄」の著者であると推測
されています。
由緒ある報佛寺ですが、建立当初の道場は
現在地から約500m南西にありました。
当時のこの地は、鹿島から下野までの塩の道
が通り、近くには市も立ち賑わっていました。
元禄２(1689)年、水戸光圀公の命により、
南北朝時代大掾氏の家臣によって
築かれた河和田城跡の現在地へ移転、
再興されました。
尚晩年の唯円は、大和国吉野秋野川の近辺
に草庵を結び、吉野の人々を導きました。
御年６８歳、この地で没しました。
お墓は吉野立興寺近くにあります。
所在地 報佛寺 茨城県水戸市河和田町８８７
唯円道場跡伝承地 水戸市河和田 (google map リンク)
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