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高弟との別れ ～箱根 笈ノ平(おいのたいら)～
現在の箱根新道畑宿から芦ノ湖へ抜ける旧東海道の
急坂の途中に、笈ノ平という場所があります。
ここには大きな石碑があり「笈平 親鸞聖人御旧跡
性信御坊決別之地」と刻まれています。
東海道を西へと進んでいた親鸞聖人と一行。
「正統伝」には、同行の弟子は、顕智、専信、善念、
性信であったと伝えられています。
また、現地の解説板には、蓮位も一緒だったと
記されます。
聖人はこの地で一休みしたことでしょう。
そして性信（と蓮位 解説板）に言いました。
「このまま上洛したら、誰が東国の門弟を導くのか。
これから戻って門弟を教化して欲しい」と。
そして次の句を詠むのでした。
病むるをば あずけて帰る旅の空
心はここに 残りこそすれ
そして「教行信証」を入れた笈(おい)を、性信に預けた
と伝えられています。
因みに笈とは、仏具・衣類・食器などを入れて背負う、
あしつきの箱のことです。
やがてこの地は、笈ノ平と呼ばれるようになりました。
その後性信は、下総国岡田郡横曽根へと向い、
真言宗の廃寺を再興し、報恩寺として念仏の
み教えを人々へ伝え続けたのでした。
またその時の「教行信証」は国宝として、大谷派
本山本願寺にて大切にされています。
所在地 笈ノ平 神奈川県足柄下郡箱根町畑宿
報恩寺 茨城県常総市豊岡町丙１５８６
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