知覧特攻平和記念館から南へ約５キロ、高星公民館
　　　　　　　　　　　から西へ約２キロ。
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　山野と茶畑の中の人里離れた所に、盗人穴はあります。


　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　盗人穴とは、かくれ念仏洞の事を子ども達に
　　　　　　　　　　　知られると、役人にばれやすいと言うことで、

　　　　　　　　　　　「ここには盗人が住んでいるから、近づいては
　　　　　　　　　　　ならない」

　　　　　　　　　　　と言い聞かせたことによります。


　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　本願寺の学者であった大魯（？－1836年）は、
　　　　　　　　　　　故郷の福岡県久留米市に帰郷しました。

　　　　　　　　　　　その後、天草で布教活動、そして念仏禁制の
　　　　　　　　　　　薩摩へ入りました。

　　　　　　　　　　　大魯は「細布講」という念仏講を組織し弘めました。


　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　「細布講」という名前は、講の中の人が、毎年細布を
　　　　　　　　　　　大福様に布施することに由来します。

　　　　　　　　　　　「木綿上げ」といって、女性が番役の家に集まり、
　　　　　　　　　　　夜な夜な木綿を紡ぎ、織り上げ、進呈していました。
　　　　　　　　　　　それは念仏講の活動をカモフラージュするのに
　　　　　　　　　　　丁度良いものでした。


　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　大魯から細布講を引き継いだ永田正源は、知覧を
　　　　　　　　　　　中心に念仏講を指導しました。

　　　　　　　　　　　村人達は風雨の強い夜の闇に紛れ、または野良仕事
　　　　　　　　　　　へ行く振りをして、この巨岩の隙間にある洞窟の中で
　　　　　　　　　　　念仏を称え、阿弥陀如来の救いのみ教えを守り続け
　　　　　　　　　　　ました。


　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　小川の傍にあるのは、川音で念仏の声を
　　　　　　　　　　　かき消すためであるということです。

　　　　　　　　　　　残念なことに２０１６（平成28）年の台風により、
　　　　　　　　　　　参道が崩れ、立ち入り禁止となっています。


　　　　　　　　　　　参考　「鹿児島藩の廃仏毀釈」　名越　護著　南方新社

　　　　　　　　　　　所在地　盗人穴　鹿児島県南九州市知覧町東別府


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