清浄寺は親鸞聖人の直弟子、西念が開基です。
西念は、源氏の流れをくむ信州高井郡井上城主井上盛永の子、三郎貞観(さぶろうさだちか)です。
５歳の時、父は奥州の乱で討ち死に。28歳の時母と別れ世の無常を覚えて、当時越後に滞在されていた聖人を訪ねお弟子となりました。
西念は聖人の日常生活のお世話をしていましたが、聖人が関東へ向かわれる折もお供することとなりました。
そして武蔵国足立郡野田(現在のさいたま市)の地に、西念寺を建立しました。
その後、聖人の命により現在地に西光院を建立、これが今の清浄寺となりました。
西光院へは聖人も度々足を運ばれ、人々にお念仏のみ教えを説かれました。
聖人の評判が伝わり、「参詣市の如く群集せり」と言うほどの賑わいであったそうです。
1289(正應2)年3月15日、西念は108歳にて西光院で往生しました。下の絵巻は西念107歳の様子です。
清浄寺には、西念が聖人から賜ったとされる「おむくさま」と呼ばれる聖人木像が安置されています。
「おむくさま」の由来
３代目西順の時、戦乱を恐れてその御木像を門前に埋めました。そして第４代了世の時、埋めた場所がむくむくと動き出したので掘りおこしたということです。名前はそのむくむく動いたことに由来します。
埋められていた場所は、現在「おむくの池」として門前に整備されています。
聖人と西念の、お念仏で結ばれた深い絆を感じます。
所在地 清浄寺
埼玉県吉川市木売2-20-5
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