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国府での生活 その１ 〜竹之内草庵〜
五智国分寺三重の塔
愚禿釈親鸞と名乗られて、国府（現在の新潟県）にて新たなる流罪の生活を
始められた親鸞聖人。
その草庵は、五智国分寺内に結ばれました。
竹之内草庵と呼ばれています。
五智国分寺本堂
当時の流罪は、国に流されるというものでした。
ですから、国の中の移動は自由だったのです。島流しとは大分違います。
また、妻恵信尼の父親三善為教（みよしためのり）は、兵部大輔（ひょうぶだいすけ）・
越後権介（えちごのごんのすけ）という役職に就いていた役人でした。
この越後権介とは、今の副知事に当たり、国府に融通が利く権力者でした。
また、１月前に伯父宗業（むねなり）が越後権介になっていました。
当時の流人には、最初の１年は「１日に米１升、塩１勺」が与えられたそうです。
この様なこともあり、親鸞聖人の国府での生活は、決して極貧生活という
ものではなく、生活の不自由は無かったのではないかと推測されます。
しかし自給自足をしながらの、決して豊かでもない生活だったことでしょう。
当時の親鸞聖人の悩みは、２つ考えられます。
１つは、土佐へ流された、ご高齢である恩師法然聖人の身の上。
２つには、遠く都を離れ、お念仏を慶ぶ師も仲間もいない日常生活の中で、
信仰を保っていくことへの不安だったのではないでしょうか。
親鸞聖人は、過酷な生活環境の中で生きる人々と生活を共にされる中で、
生きとし生けるすべてのいのちが平等に救わずにはおれない阿弥陀如来のお心と、
日常生活を送る中にも確かな救いに預かる「南無阿弥陀仏」のお念仏の有り難さを、
実践を通して噛みしめる日々を送られたのです。
所在地 五智国分寺 新潟県上越市五智
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