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車の道場 ～鯖江 上野別堂～
流罪となった親鸞聖人。
越後へ向かう北陸街道の道中、上野ヶ原（現在の福井県鯖江市）を
通りました。
当時の越前国は、豪族波多野氏が納めていました。
そして上野ヶ原は、国主波多野重義の一族、波多野右京進景之の
支配下でした。
流罪とは言え、京の都の高僧が通られる…。
影之は聖人と出会ったのでした。
自らの別荘を休憩所として提供し、教えを請うたのです。
影之は聖人のみ教えに深く感動し、お弟子となり、名を空然（くうねん）
と名乗りました。
聖人の当時の名綽空から一字いただいていることから、深い思いが
伝わります。
また影之は、２５年ほど後に聖人が京の都へと帰郷した際、
聖人の五男益方（えきほう）を養子にもらえるように懇願し、鯖江に
迎えています。益方は出家し道性となり、この地に暮らしました。
当時流人は、上写真の板輿（いたこし）に載せられていました。
そして郊外へ出るときはそれに車輪を付けたので、まるで車のように
見えました。そこで「車の道場」という呼び名が付きました。
やがてここは参詣者が増え、後に真宗誠照寺派本山誠照寺へと
発展しました。そして上野別堂として誠照寺飛び地となっています。
真宗誠照寺派 本山 誠照寺
このような深い仏縁があった福井県。
後に本願寺第８代蓮如上人が吉崎御坊を建立、滞在され、
多くの民衆にみ教えを伝えられました。
故に現在に至るまで、福井県は浄土真宗が大変盛んな地と
なっています。
ひっそりと佇む車の道場は、聖人の息吹を感じる場所でした。
所在地 上野別堂 福井県鯖江市日の出町７−１
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