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東海道をゆく１ ～静岡 教覚寺～
一路東海道を上る親鸞聖人一行。
当時は江戸時代の様に街道が整備されていなかった
でしょうから、街道筋の民家に泊めてもらいながらの
旅路。その御苦労は、はかり知れぬものがあります。
しかしそのご縁によって、導かれる人は後を絶ちません
でした。
聖人のお人柄に滲み出る、阿弥陀如来の救いの温もり。
外見を取り繕い、いい顔をし世渡りする我々ですが、
染みついたものは、誤魔化しようがありません。
聖人から漂うのは、阿弥陀如来のお心そのもの
だったのでしょう。
現在の静岡県静岡市にある教覚寺開基光信坊も、
そんな出遇いによって導かれた一人でした。
当時入江庄(現在の静岡市清水区)に居住の光信坊は、
聖人の教えに帰依し、自宅を念仏の道場としました。
これが教覚寺の成り立ちです。
聖人８５歳の頃、光信坊は京都へ聖人を訪ね、再会
されました。お二人は涙にむせびつつお念仏申され
ました。
その際、聖人は「唯信鈔文意」を染筆され、光信坊へ
授けたと言うことです。同書は寺宝として大切に現在
まで伝わっています。
元和２(1616)年、第10代乗真の時、徳川家康の家臣
松下常慶の屋敷を譲り受け、現在地へ移転しました。
見事な聖人像に、在りし日が偲ばれます。
所在地 教覚寺 静岡市葵区常磐町２丁目８－１２
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