|
|
開け〜、運命〜！
2006.１.１掲載
副住職 菅原智之
|
新年いかがお過ごしですか。
今年の運命はどうなるのやら…ワクワクどきどきされていることでしょう。
敷かれたレール(運命)が有るか無いか。神の存在と共に、昔から人々が考えてきた、そして答えの出ないテーマかと思います。
◇運命とは
決まった運命があったらいいなぁと思う事もあります。
予め決められた設計図通りに物事が運んでいく。それって楽ですよね〜。だって結果は決まっているので、努力は無駄ムダ。でも、それじゃぁつまらないなぁ。
えっ、その努力すらも決められていたですって？ なるほど。
そうすると、私の“思索”や“決意”もすべて予定通りという事ですね。ならば、私はただの人形、いや人型ロボット。全てのプログラムは入力済み。そう、まるでロボット犬アイボみたいに。
◇運命からの脱出
「いや、いのち有るものは神の操り人形じゃない。１つ１つがそれぞれ個性の光を放ち、予想だにしない出来事をも乗りこえて、自らの生を営む掛け替えのないものなのだ。決まった運命などないのだ。また、運命を決める神など私には必要ないのだ」
と悟ったお方がおりました。操り人形からの解放、自覚的生を営むということ。
そのお方をインドでは目覚めた方＝ブッダと呼び、我々はお釈迦様と呼び慕っています。
◇生老病死
もしも運命と呼ぶものがあるとするならば、それはただ１つだけ。
「生まれたものは、必ず老い、病み、死んでゆかねばならない」ということ。
生まれたからこそ老病死あり。生きているからこそ喜怒哀楽あり。その真っただ中の私。
◇ ◇ ◇
レールが有ろうと無かろうと、私には関係ないというスタンス。それが仏教です。私は掛け替えのない我が“生 ”を、ただひたすら歩むばかりであります。
合掌
|
|
|
|
目次へ