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命日とは
2005.１２.９掲載
副住職 菅原智之
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私たちは遅かれ早かれ、大切な方と死別していかねばなりません。
深い悲しみであり残念なことなので、できることならば無いほうがいいのですが、我々は生身の体ですからそう言う訳にもいきません。ハァ。
しかしなぜ、命を失ったその日を 「 命日 ＝ 命の日 」 と呼ぶのでしょうか。そう言えば「老後（老いの真っ直中なのに、なぜ老いた後と言うのでしょうかねぇ）」や「お湯を沸かす（水を沸かすのですよネ）」も不思議な言葉ですね。日本語って面白い。
◇ただ悲しみだけで終わらせない
さて命日。それは悲しみの日ではありますが、ただ悲しみだけで終わらせてはならないと思うのです。
例えば終戦記念日。ただ悲しむ日ではありませんよね。「もう二度と戦争はしない」と皆が思います。
確かに悲しみにふける期間は必要です。だって失うことには耐えられないのが我々ですから。しかし、そこに留まってばかりではなく、涙をふいてその顔を上げ、また一歩踏み出していくこと。それが本当に亡き方を大切にしていくということでありましょう。
◇いのちの不思議と有り難さ
残された私が亡き方を通して、命の儚さ、掛け替えのなさを、そしてその命を “今”“ここに”いただいていることの不思議さ有り難さを学ばせていただく。命日とはそういう時間です。だからこそ「ご命日」と呼び、大切にしていくのでありましょう。
◇報恩講もご命日
実は浄土真宗で大変大切にお勤めする「報恩講」は、親鸞聖人のご命日法要なのです。阿弥陀如来の温かさを伝えてくださったその足跡を偲びつつ、生きるということの大変さと有り難さを聞かせていただく。それがこの法要のもつ大切な意味なのです。
合掌
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